新型コロナウイルスにより、多くのスポーツチーム活動自粛を余儀なくされる中、選手個人が自らトレーニングを行う必要性が高まってきました。 コーチやフィジカルコーチの皆さんは、非常に苦しい期間だと思いますが、こういった選手個人のトレーニングを上手く計測・評価し、チームの向上につなげていきたいのではないでしょうか?
SPTなどのGPSデバイスを使えば、その個人トレーニングの内容を定量化し、チームでまとめて集計・管理することができます。選手のリモートでのトレーニングを活性化させ、パフォーマンスの維持・向上に役立つ、強力なツールになると考えています。
1人、あるいは少人数で行うトレーニングは、【選手が孤独感や退屈感】を感じたりすることも多く、モチベーションの維持が難しい側面があります。
そういった意味でも、SPTを使用して、個人のパフォーマンスを数値化し、チームメイトと比較や競争が出来れば、モチベーションの維持や、自らのトレーニングに責任感を持たせることを促せるのではないでしょうか。 この期間を、完全な休憩の期間とするのではなく、これまで築いてきたコンディションを維持する【メンテナンス】の期間としたり、チームメイトと競争させて【強化】の期間としたりして上手に過ごし、他のチームより優れた期間にしていきたいですね。
『G P Sなどの負荷管理ツールを使用する4つの利点』 SPTなどのGPSデバイスを使って、負荷を管理できるツールを使うことは、以下のような利点をもたらします。
・長期的な選手の運動負荷の計測と計画した状態との比較。それに基づく軌道修正が行える。 ・選手の運動データを週ごとに比較し、パフォーマンスの推移を観察できる。 ・同じトレーニングを行ったチームメイトとの競争による、モチベーションの向上 ・チームでの一体感、友好的な関係の促進
パフォーマンスの計測やトレーニングへの反映といった、技術・身体能力的な側面と、チームメイトとの競争や関係性の向上など、メンタル的な側面の両方にメリットがあると考えられます。
『リモートトレーニングを把握する5つのステップ』
それでは次に、選手が行ったトレーニングを、自身で簡単に把握・管理するための5つのステップを紹介します。
このステップでは、スマートフォン用GameTrakaアプリを使用します。
1、コーチはGameTrakaアプリを使って、トレーニングイベントを作成します。
(GameTrakaアプリのホーム画面で「新規イベント」ボタンを押す)
2、各選手は、自分のSPTデバイスを使用して、トレーニングを行う
(注意:集計上の関係で、選手は同じ日にトレーニングセッションを行う必要があります。)
3、選手は、パソコンのBridgeを「オフライン」モードで使用してSPT 2からデータをダウンロードする
4、ダウンロードしたパフォーマンスデータを、(1)でコーチが作成したイベントに直接アップロードする
(注意:オンラインモードでデータを扱うと、トレーニング時刻で自動的にイベントが割り当てられてしまうため、コーチが(1)で作成したイベントにデータをアップロードすることが出来ません。注意してください。) 5、各選手からアップロードされたデータを用いて、セッション全体の評価や比較、振り返りを行う
このようにすると、各選手がそれぞれの場所で計測したパフォーマンスを、チームのデータとして管理・評価・比較が行えるようになります。
『最後に』
いかがでしたか? 本日は、リモートでのトレーニングを、計測・管理する方法についてご紹介しました。
これは私が選手をコーチングしていての感触なのですが、リモートトレーニングを実施したことで、選手が以前よりも前向きに、主体的にトレーニングを行うようになったと感じることがあります。
そして、この恩恵を活用しようと、いくつかのトレーニングを、選手に完全に任せるようにしました。
これは、私個人の考えですが、トレーニングに対する責任を、コーチと選手で50%ずつ持つことができれば、より良いトレーニングにしていけるのではないでしょうか?
SPTを導入して、選手の主体性をも促していけると考えています。皆様も一緒にいかがでしょうか?
『筆者 Daisuke Matsuuraについて 』
関西大学大学院卒。オーストラリア、ニュージーランドでラグビーコーチング、分析等を学び、現在はニュージーランドと日本でラグビーコーチ/アナリストとして活動中。コーチとして、ラグビーワールドカップの優勝を目指している。今後は、ヨーロッパやアルゼンチンへ活動を拡げようと計画中。言葉、映像、環境を操り、人との繋がりを大切にして、選手のパフォーマンス向上とチームの勝利を目指しています。
SNSにて、最先端のラグビーコーチ、アナリストとしての活動内容を日々投稿中!!
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